クロヤギのキモチ

第二話。

前回の話はこちらから → シロヤギからの手紙


◆◇◆◇◆






シロヤギから



手紙が届いた



・ ・ ・



封筒に書かれたその筆跡を見たとき



一瞬



どきっとした



あの遠い日と



同じ



・ ・ ・



遠くに海が見える牧場の外れで



一緒に届いた小包を開けた



め゛!



オカシナ声が出てしまったのは


30万もする化粧品が出てきたから



・ ・ ・



手紙



何が書いてあるのだろう






どこからか



一匹のナナホシテントウが飛んできて



まだ開けていない白い封筒の上にとまった



それから大急ぎで



封筒の角まで小さな足を小刻みに動かして進み



羽を広げると



また、飛び立った



・ ・ ・






シロヤギさん






私は






もう、あの頃の私ではないわ






・ ・ ・



楽しかった思い出



いつも二人で



オカシナことばかり



していたっけ



・ ・ ・



その思い出は



明確な輪郭を取り戻そうとして



再び



絵の具が水に溶けるように滲んで



消えた



・ ・ ・



紅いセスナ機が一台



青空を飛んでいる



あの日も



音をたてて飛んでいたな



向こうの



山の上のほうを



・ ・ ・






何だか






お腹






すいたな






・ ・ ・



畜舎に帰ると



クロヤギはミミズクに言った



シロヤギさんに手紙を出してくれない?



ミミズクは首を横に270度も回して言った



シロヤギさんて、昔いたあのシロヤギさん?



ええ、そう、ていうか、首回しすぎよ



ミミズクはそのまま目をぱちくりさせている



なんて書くの?



手紙、もらったのよ、でも、何でもいいわ



何でもって、何なのそれ



いいのよ



そうなの?



ええ



そう



・・・



分かった、出しとく



ミミズクはそのまま深くうなずいた



それ、うなずく角度、間違ってるって



クロヤギは笑いながら奥の部屋に立ち去った



その口元には白い小さな紙の切れ端



そして角の間には高級化粧品



ミミズクは深く考え込むようにして



目を閉じた






 続きはこちら → シロヤギのそれから


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